作りたいものがありすぎる

40歳を過ぎてプログラミングを始めた人の顛末とこれからなど

10万円給付金を無限に使う仕組み

コロナウイルスで大変な事になっている地球の皆さんこんにちは。私も大変です。

日本政府が国民一人あたり10万円を給付するとか、しないとか、足りないやばい。みたいな話になってますが、これは今その問題を解決する方法ではなく、先々の事を考えての提案というか妄想です。

半分ネタみたいな話ですが、実は結構前から色々考えていたことの一つの答えみたいなものが、ここ数ケ月で発酵してきたので、アウプトプットしておこうと思います。まあコロナウイルスに感染して死んじゃう可能性も0じゃないので。

では先に結論。

何処の国でも良いです。その国の政府は国民一人あたり日本円でおよそ10万円を数か月配り続ける予算を使って(後払いでもOK)再分配が可能なスマホアプリの電子通貨システムを発注するなり作るなりして欲しいです。そうすれば結構多くの人がピンチを脱したり、幸せになったりするかもしれないよ。という話。

は?お前何言ってんの?というツッコミを無視して話を続けます。

政府が確約することは

  • そのシステムの利用者はこの国のこの人で間違いない事を証明する
  • そのシステムを維持運営する予算を毎年出す
  • これは確かにウチの国のお金ですよ、と確約すること

です。

誰だお前

そもそもお金とは何か?とか、そういう話を10年以上延々調べたり考えて、新しい経済システムを作りたくてプログラム覚えてプロトタイプを作ったりして現在は職業プログラマーのおっさんです。

でもまあ仕組を考えて、ショボくても自分で作れても、皆がそれに価値を感じて使ってもらわないとそれは「お金という仕組み」にはならない訳です。

でもビットコインだって最初は冗談半分でピザと交換されたのに、今や普通に取引されています。羨ましいぞサトシナカモト。

お金大事、なのに稼げない

さて、そのお金ですが、日本のお札には日本銀行券、って書いてありますが、最近流行りのスマホの「なんちゃらペイ」にあるポイントと、日本銀行券って同じお金ですよね?ゲームに出て来る「ゴールド・ルピー」なんていう「ゲームのマネー」と見た感じ大して違いはないのに、レジてピッってやればちゃんと使える。便利。 そして、足りなくなったら、クレジットカードとか銀行のお金でチャージすればいい。すげー便利。 でも銀行に振り込まれるそもそものお金は、働かないと枯渇する。チャージもできなくなる。何も買えなくなるかも。でも働くに働けない状態が、まだ続きそうですげー不安。

だから政府が国民の生活を守る為に、支援金を配るべきだというのはもっともだと思います。

要は国民全員の銀行口座にピッってチャージして欲しいわけです。で、当面は毎日生きるのに必要な食べ物や電気の支払いや生活必需品を買えて、なんとか生きていける様にして欲しい。

でも、本当に全員なの?とか、早くしろよ、とか、もっと給付されないと全然ヤバイ、とか喧々諤々やってるあいだにも、仕事は出来ず、残高はひっ迫し、気持ちに余裕が無くなる。

そういうの本当に辛いと思います。まかり間違えば病気やお金で絶望して死ぬかもしれないなんて本当にしんどい。

でも、こんな時に私個人ができることって仕事以外であんまりない。なので、ちょっと非現実的だけど、もしできたら良いな。みたいな話として読んでください。

私はお金の歴史に学んで、新しいタイプの電子マネーのようなものを作りたい。と考えています。

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どういう仕組みか?

政府主導のスマホアプリ

生活に必要な最低限の額(以降『ポイント』と呼称)が、毎月でも、週に1度でも、毎日、でも良いです。きちんとチャージされる様になる仕組みです。

ひとまず、一月あたりで一人10万ポイント

で、このアプリ、スマホ同士でポイントをやり取りできます。レジの機械でピッってやるのが難しいなら、私でも作れるQRコードとかで送り合えるものでも良いです。つまり個人のスマホ同士でポイントをやり取りできる。QRコードだから、遠くの人ともやり取りできます。

スマホ持ってない」とか、「うまく使えない」って人は最初の月に給付される10万円の替わりにアプリの入ったスマホを配布してもらうなり、購入するなりして通信会社と契約してもらいます。デジタルデバイドの問題は、それこそこの給付金である程度なんとかできると思ってます。

そして政府が「これ、お金として使えます」って言えば良いだけ

むしろ、この「なんちゃらペイで払います」って言ったのに、お店とか売る側が、「そんな変なマネーじゃ駄目だ、福沢諭吉よこせ!」みたいに受け取り拒否をすると、むしろ罰金にするとか、罰則設けても良い位です。だってお金なんだもん。

でも、そうなれば、私たちはこれで毎月の最低限の生活をまかなうことができる訳です。これでスーパーやコンビニで食料買っても良いし、電気代を払っても良い。家賃を払っても良いわけです。そして当然これは国が「お金として使えます」って言っているので、給料として社長が従業員に配っても良い訳ですよ。

スーパーやコンビニはレジに自分の店のスマホの口座のQRコードを紙に印刷しておけばOK(法人端末がー!とか問題があるなら、この際店長さん個人の端末とかでも良いです)会計の時に、提示された金額が確かに自分のスマホに振り込まれた事だけを確認できれば良いわけです。

電気も家賃も同様です。ウェブサイトに法人口座に相当するスマホQRコード張っておけば支払いができる訳です。

だれが払ったのか?スマホアプリなら管理や証明が可能です

要は銀行の口座がアプリになっている様なものなので、誰からポイントが送られて、誰に送ったか?が、最初から通帳とか確定申告の時の資料の様に管理出来てるわけです。

でも、「誰とやり取りしたらわかるとか嫌」とか、「エッチな本の購入履歴とかマジ勘弁」となるので、電話番号とか名前じゃなくても、それに紐づけた暗号化されたIDでも、そのアプリの利用者の一意の情報が利用者全員がお互いにわかっていれば、まあ問題ないかと。

そんなこと言って月10万とか財源どうすんだ!

と思うかもしれません、確かに最初の製作費と月々の維持管理費はそれなりにかかると思いますが、それでもせいぜい、超有名なウェブサービスの運営費位か、それ以下でなんとかなると思います。上手くいけば、銀行のATMをはじめとした口座システム開発費や維持費よりも安価になると踏んでます。そして…

月10万の財源は、皆さんが毎月やり取りをする月10万ポイントから徴収します

なにを言っているのかというと、このシステム、3か月位一切使わないで放置していたらどうなるか?

合計30万が振り込まれていると、思うじゃないですか?

ところがどっこい、残高は10万です。

つまり使って無いと、その分は他の人の財源に回されます。 毎月10万、きっちり使って残高を0にすれば次の月はまた10万入ります。

逆に言うと、月末に30万位溜まっていても、最高で残高10万位まで減らされます。でも、全部は取られませんし、必ず全員が一定量のポイントを国から保障される訳です。

この理不尽な現象に名前を付けるとすれば『所得税』とでもいいましょうか。でも、このシステムを使っていれば毎月10万は必ずもらえる。つまりベーシックインカム型、再分配機能内包の通貨システム』という訳です。

さて、これでは支払いをされる側があまりにも損をしますが、損をしないタイプの説明をする前に、ひとまず現状の数字の流れの全体像を具体的に説明します。

仮に、このなんちゃらポイントの参加者が10名だとしましょう。最初の月に全員に10万ずつが渡り、政府の支払いは100万になります。

10人は生活の為にお互いのモノやサービスとポイントを交換します。現在仕事が出来ずほとんどが生活費で消える人のポイント残高は、ほぼ0に近くなり、逆に今も運よく仕事があったり、モノやサービスを多く提供した側には、20万の儲けが出たとしましょう。

仮に利用開始から一か月が経つ頃に、10人中3人が30万溜まったとすると、10万(最初から)+20万(儲け)3人の合計は90万 そして残り7人のわずかな額を合計をするとちょうど10万となります。そして全体で見ると 90万 + 10万 で合計100万、合計額は当然変わりません。

そして月末になると、30万の口座の人は20万が引かれ、残高10万。 3×20=60万を残りの7人に分けて全員が10万に戻る。という訳です。

もっとも、これはずいぶん極端な例で、「頑張って働いたのに20万も取られるなんてふざけてる!」と思ったかもしれませんが、当然です。なのでルールを少し変えまましょう。

30万バラマキからスタートするともっと嬉しい

今度は3か月目までは、新規で10万ずつが必ず振り込まれるとしたらどうでしょう?つまり3か月放置すると30万迄きちんと溜まります。その時点での10人全員での合計は300万です。ベースラインをあげた上で、毎月10万を必ず全員に配る分だけを全体の余剰から集めます。

今度もさっきと同様に3人の一月の儲けが+20万だったとしましょう。 元々全員が30万溜まった所からスタートしたので、儲けた3人が持っているのは 30+20= 50万です。 これが3人で合計150万。 残りの7人が持っている合計額は、全体の300万から150万を引いて、150万です。(さっきは10万だったのに!)

これなら残高10万未満の人に負担する額は、前よりも少なくて済む事がわかるかと思います。運が良ければ再分配もしなくて済むかも!

…というのも実は極端な話で、実は総額が増えた分、インフレが起こるのと、流動性が上がって云々、となるので、実はそんなに上手くは行きませんが、全体として余裕が生まれるのはわかるかと思います。

さらに考えを極端にしてみます。 もっと財源を豊富にしましょう。そしてある程度残高が溜まってから取られるルールをもっと甘くしましょう。100万から1万だけ引かれる様にする?それとも400万位から50万位にする?1000万なら300万位?より溜まった人からはより多く取った方が良い? …なんとなく従来のお金の仕組と『所得税』に似てきましたね。つまりそういう事です。

じゃあ、このバランスをどのへんで保つのか?というのが大きな問題であるにはちがいないですが、たぶん福祉国家を目指すなら、このゲームの参加者全員が「健康で文化的な最低限度の生活」が出来る位、毎月配分される位がちょうど良いのではないでしょうか?

そしてこのゲームを10人ではなく何億人という単位でやる訳です。

つまり、このシステムで徴収された金額は確実に他の参加者の為に使われ、新規のポイント発行も上の例だと、3か月目以降はなくなり、毎月必ず全員に10万位が手に渡ります。しかもその合計は常に一定で、中で数字が循環するだけ。という仕組みです。 なので、ぶっちゃけると国家が運営する「お金」「税金」「社会福祉」や「再分配」という仕組みを、デジタルマネーの仕組ですべてやってしまおう。ということです。でもその税金は既にこの仕組みの中自体で取って再分配されているので、これ以上税金を取られる必要性も意味も無い訳です。

なんか騙されてる気がしないでもないですが、私に言わせれば、実は従来のお金の仕組自体が絶妙に人を欺いた仕組だと思ってます。

さて、ではこのなんちゃらペイシステムで「所得税」がどんな配分になったとしても、絶対に損をしない方法をあらかじめ言っておきます。現在の経済状況がどんなに豊かな人も、大ピンチの人も、この戦略はほぼ一緒です。

『次の再分配の日までに残ってるポイントを全部使いきること』

たったこれだけです。

宵越しの金を持たなければ、自分の持ち金は絶対減らないのです。さらに必要最低限の額は再度支給されるのです。

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ベーシックインカム反対の意見でよく出るのが「税源をどうするんだ」とか「全員にお金が支給されたら、誰も働かなくなる」という話がありますが、この仕組みの中で財源は、投資した額だけが中で循環するのみですし、再分配されるのは、健康で文化的な生活をする為の最低限の額だけです。それでも足りない分は従来通り、ある程度働くなり従来の社会福祉を利用するなり、周囲の人たちと支え合う必要があります。しかも今は、コロナウイルスの為に働くに働けない状況の人が格段に増えています。そんな中でこのような仕組みがもし実現できれば、誰にとっても生きるのに必要な最低限をシンプルに保障する。という点でそれなりの効果が期待できるのではないでしょうか。

じゃあ、もう一度。

この仕組みで政府が確約することは

  • そのシステムの利用者はこの国のこの人で間違いない事を証明する
  • そのシステムを維持運営する予算を毎年出す
  • これは確かにウチの国のお金ですよ、と確約すること

というのを是非やってくれると、結構うまくいくと思うんですが、どうなんでしょう。夢物語みたいなものだからなかなか難しいかもしれません。 財源は上の例なら国民1人あたり30万ぽっきりで、そっから先は内部のポイントを循環させますので、それ以上にお金がかかる心配もない。維持費の支払いさえ内部のポイントでやっても良いんじゃないかって位です。

しかし、こんな酔狂を本気にしてくれる政府が現れない場合のプランも当然考えていて、どっちかというとこっちが理想で本命です。

要は上のルールをこんな感じで少し変えれば良いと思ってます。

  • そのシステムの利用者はこの人で間違いない事を他の利用者や第三者に証明してもらう
  • そのシステムを維持運営する予算は利用者同志が出す
  • このスマホアプリのポイントは確かにお金ですよ、と利用者同志が合意し確約する

です。

そのシステムの利用者はこの人で間違いない事を他の利用者や第三者に証明してもらう

一番目が必要な理由は、複数のスマホを持っていたら追加でさらに10万貰える、という二重取得を避けるためです。一人1アカウントが前提の仕組なのでこの辺が必須になります。

そのシステムを維持運営する予算は利用者同志が出す

二番目は運営、お札や貨幣といったモノとしてのお金ではない為、二重会計や不正等の怪しい計算がされることなく、健全な運営維持が続くことが信頼の根拠になります。そして誰がそれを保証し続けるのか?が問題になります。ビットコインなどは独立したアプリケーションと、ブロックチェーンという、個々の端末に共通の暗号化された全員の通帳を持つ的な人の介在しない仕組自体が、それを維持してます。

このスマホアプリのポイントは確かにお金ですよ、と利用者同志が合意し確約する

三番目が特に難しい気がしますが、この仕組みがとても安心して信頼できるようになり、お互いがこの仕組みに騙されても良い。と考える人が増えれば上手くいくはずです。すでにビットコインがある意味でそうなっていますし、既存の「お金」という仕組そのものが既にそうなってますので。

ということで、このシステムを作って、これでピザを売ったり買ったりしてくれる人を募りたい、というのが私の当面の目的です。誰かよかったら一緒にやりましょう。

ちなみに、この仕組みの元ネタを知りたい人は「ゲゼル」とか「自由貨幣」とかとかでググってみてください。

上記の説明は簡略化したもので、実は考えなきゃいけないルールや仕組、起こりえる問題点は多々あります。例えば再分配の時間が決まっていた場合、必ず損をする人が出て来る問題や、既存の通貨との両替や交換、この仕組みを使っての投資や借金はどうなるの?といった問題がありますが、それはいずれかの機会に説明したいと思ってます。

また過去に私が作ったプロトタイプとか(今ちゃんと動きません)いままで考えた事の軌跡はここにあるので、興味があれば見てやってください。

Happy Project 新しい通貨概念をデザインしよう

さすがにプログラマー業界も景気が悪くなってきたので、私も暇ができてしまうかもしれません。なので時間が余ったら新しい技術を学びながら、ショボくて良いのでもまずはこれを作ります。まあ、現状での利用してもらえる信頼度は0ですし、課題も山積みですが、いつか0より大きくしたいと思ってます。